弊社では、国内外の基幹システム100件を独自の評価軸でリストアップしました。評価軸には、導入実績や対象顧客規模、対象顧客業種、提供形態、実装モジュール、グローバル対応可否や拡張性などを選択しました。
基幹システム市場は堅調に成長を続けています。株式会社矢野経済研究所の調べ「ERP市場動向に関する調査結果 2015」では、2014年のERPパッケージライセンス市場は1,080億6,000万円、前年比6.2%増となり、堅調な成長を続けています。また、2015年も、前年比8.2%増の1,169億2,000万円と成長が予測されています。
成長の背景には、これまでバージョンアップ投資を抑えて来た企業による入替えが再開したことに加え、Excelからの脱却を図るべく基幹システムの新規導入に取り組んでいる企業が増加していることが挙げられます。
また、調査会社アイ・ティ・アール(ITR)の調べ「ITR Market View:ERP市場2016」では、2014年度から2019年度における会計システムおよび人事システムのCAGR(年平均成長率)が4.4%、一方で生産管理システムが同5.0%、販売システムが同4.9%と、会計や人事システムに比べて高い成長率が報告されています。
これは、会計システムや人事システムはリプレース中心である一方、生産管理システムや販売システムは新規導入が中心となることから、高いCAGRが予測されています。
これら堅調な市場を形成している基幹システムですが、従来のオンプレミス型にかわりクラウドベースのシステムが台頭しはじめています。今回の調査においても、全体の40%程度の基幹システムがクラウドによる提供をおこなっていることが分かりました。顧客のクラウド化ERP導入への流れについては、ガートナー社が「ポストモダンERP」として提唱していることに加え、本リストによりシステムの供給側もクラウド化へ舵をきっていると言えます。また、ポストモダンERPの考え方として、アドオン開発を多数実施して個社専用のERPを作り上げるのではなく、クラウドERPのテンプレートを活用して個別開発を行わないという戦略も重要です。さらに、最近ではREST APIを活用してクラウドサービス間で連携することが可能なERPも登場しています。これは、ノンカスタマイズのERPをクラウドサービスで導入し、そのうえで個別開発が必要な部分をPaaSサービスで作り上げ、両者をAPIで連携させるという手法です。REST APIを活用することにより、クラウドサービス間の連携が可能となり、個社専用に近いERP環境をクラウドで構築することが可能となってきています。
このように、ERPにおけるクラウド化の流れは今後も加速することが予想されます。定期的に市場の情報をチェックしつつ、自社にとって最適な製品およびサービスを選択かつ組み合わせる事が求められます。本リストがその一助になれば幸いです。
本リストに関しては、お問い合わせフォームよりご用命ください。なお、弊社では、中立的・客観的な立場から、業務改善や事業開発のための、製品およびサービス、そしてシステム開発会社選定支援を実施しております。